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CESでenchantMOONの実機が展示され、清水さんがenchantMOONのソフトウェア的な意味での概要構造について日記で解説してるのですが、なかなか思うことは多いです。
書き味にこだわってそこに大量の開発期間もつっこみ、OSの多段レイヤを回避するために画面タッチから描画までの処理がアプリレイヤからカーネルレイヤまで貫通しているそうな。
今の高性能スマートフォンがなかなか書き味の良い手書き入力ができないにも関わらず、昔のそれこそSHARPのWizやZaurusがそれなりの書き味を実現できていたことを考えるとハードウェアスペックよりもデバイスを直接触れることが低レイテンシにとってはやはり大事なことなのだよなとの思いを強くします。Petite Peintureだって、未だにiOS版はLinux Zaurus版の書き味にはほど遠い訳*1です。セキュリティを担保するために、デバイスを直接触らせないという考え方もわかるのですが。
ユーザが描画した線をベジェ曲線など使って勝手に滑らかにせずに、素直に線分で繋いでいくという方針もよくわかります。滑らかな線が引けるとその場では「おおっ」っと思うのだけど、使っていると「これは自分のイメージしている線とはちょっと違う」となってくるんですよね。何度も引き合いに出してアレですが、Petite Peintureに対しても「より高品質な線を」をという要望も多々ありましたがユーザへの反応速度を犠牲にせざるを得ない機能についてはすべて突っぱねて、あくまでも「自分が引いた線がそのまま画面に出るツール」ということにこだわってきたつもりです。
人間が引いた線が美しいことは紙と鉛筆でみんな知ってるだろって話です。ここを疎かにしたままでは結局「なんか違う…」を繰り返すのみです。
あくまでも基本は紙と鉛筆の書き味で、そこにデジタルツールとしての付加価値で便利な道具に仕上げていくというのがenchantMOONのデジタイザ処理部分の考え方ではないかと思う訳ですが、そこをちゃんと理解して開発できる環境って素敵だなと思います。ドライバ書いてる近藤さん始め開発陣楽しそうだなーと。
*1 これでも色々とiOSの構造を意識したチューンは繰り返しているつもりなんです。orz