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Why NIKCOLA
どうしてニッコラなの?
さきら, sakira.09@g4.mnx.ne.jp, November 1, 1996
NIK-Code for Macintosh誕生まで
学校のUnixでEmacs-Lisp版の にこにこを使い出したが、漢字入力を自然にできる様になるつれ、ローマ字に対してストレスを感じる様になった。
にこにこメーリングリストでその旨の発言をして、実現に向けての議論をしている内に具体的な実現方法の各々に対して問題的等が見えてきた。
やがて Emacs-Lisp版の にこにこにかな/カナ入力モードを追加する形で親指シフト入力を実現し、にこにこメーリングリストに流した。
NIK部品(漢字の部品)のキーボードへの配列を親指シフトの方法を使って変更するというアイデアはあったが、私はそれをしようとは思わなかった。
(つまりNIK部品を入力する方法は にこにこのそれと全く同じである。)
物理的に親指シフトの使えないキーボードの事を考えた場合、
キー配列を改めて覚える必要があるのと、
キーボードによって二種類のキー配列を使い分けねばならないからである。
その一方、大内茂樹さんは既に変換キー/無変換キーを使って仮名入力と漢字入力を入力し分けるものを既に作っていて、メーリングリストへ発表した。
ここではNIK部品のキーボードへの配列を変更した。
試してみると、この配列は非常に有効であったので、あっさりと乗り換えた。
これがニッコラである。
それから約一年後。
MacOSではNEmacs上でEmacs-Lisp版のにこにこ・ニッコラが動いていたが、
MacOSのInputMethodとしてのニッコラが欲しくなったので、
NIK-Code for Macintoshを開発した。
どうしてNIKコード系日本語入力なのか
- 直接入力である事
- 他の直接入力と違って速度/スローク数は重視していない
- 入力するキーの列に対して変換の結果が一意でないと、それを確認する作業が必要。視線が左右に移動するのは疲れる。英文を入力する時の様に左から右という一方向のみに視線を動かしたい。
- まだ書くべき事はあるが、他の直接入力の方々にお任せする。
- 覚え易い事
- T-CodeやTUT-Codeは漢字が難しい
- 風も覚え易いと思う。風より先ににこにこに慣れてしまっただけかも知れない
- 慣れると、打った事がない字も打てる場合が多い
- ある程度NIKコードの考え方(?)を判ってきてからの話ではあるが、字の形を見て/思い浮べて「こんな感じかな」とNIK部品列を入力しても正しい場合がある。
- 実は上記の事をしても一回で当たる場合は少ない。しかし、経験上2,3回で当たる事は多い。
- それでも当たらない場合はヘルプを見るのだが、そこで書き順とNIK部品列の対応を確認しておくと、次回からも入力できる場合は多い。他の直接入力では一回でストロークを覚えるのは難しいのではないかと考える。(そもそもNIKコードの「考えればストロークがわかる」というのは他の多くの直接入力の「思考の干渉を無くす様に指に覚え込ませる」とは全く違なるが)
- 手書きとのフィーリングの近さ
- 書ける字は打てるが知っていても書けない字は打てない。
- 他の直接入力とは違うと思います。逆に今まで手書きでは使わなかった(使えなかった?)字も、NIKコード入力で使う機会が多くなる事で(この部分は推測ですが)、手書きでも自然に使ってしまう様になったという事も経験しています
- これを長所と見るか短所と見るかは人によるでしょうが、私にとっては長所であり、また、自然に思えます
- 画数の多い字は面倒(?)
- NIKコードを使い始めた頃(つまりにこにこを使っていた頃)は画数の多い字を入力するのが面倒に感じていた。手書きの場合もそうなので別に気にしない事にしていた。(手書きで書く文章と、キーボードから打つ文章では使用目的さえ異なるので本質的には理由になってませんがね。)
- 多くの字を考えずに打てる様になってきた頃から補完を使う様になった。(それまではNIKコードの考え方を理解する為に敢えて補完を使っていなかった)
- 補完を使うと画数の多い字が必ずしも多くのストロークを要する訳ではなくなり、画数の多い字も積極的に使う様になった。(具体的な例は省く)
- 現在は補完の結果を見ずに続きの入力をする様になり、補完キーもストロークの一部と感じる。しかし、漢字の書き順との対応というNIKコードの本来の姿とはなれてしまった不安もある。
- それでも補完を使うか否かは使用者の自由なのだから、書き順からストロークを推測できるというNIKコードのアドバンテージは残る。
どうして親指シフトなのか
現状では文章の入力にはキーボードを使うのがベストでしょう。
しかしローマ字にはガマンできなかった。
自分の使える仮名入力方法としては、ローマ字と親指シフトがあるのだが、親指の方がストレスは少ない。
多くの日本語入力方式を自分の好きな仮名入力方式で使えると嬉しい、との思いからにこにこでの仮名入力に親指シフトを使える様にした。
ニッコラの意味での親指シフト
- ニッコラではNIK部品(漢字を入力する際の漢字の部品)の入力にも親指との同時打鍵を使っている。
- NIK部品は全部で77個なので、普通の意味でのシフト動作だけでは多くのキーを必要とする。逆に戸水さん(NIKコードの提唱者)は、キーボードから入力できるキャラクタコードに対してなるべく多くの漢字の部品を割り合てたくて77個という数字にしたのかも知れない。
- シフトなし、右シフト、左シフトとホームポジションとその上下一段づつを使うと、3*30=90個の記号を打ち分ける事ができる。
- NIKコード作者の意志とは関係なく親指シフトを使うと快適な入力が実現できる様になった。
欠点
- 同時打鍵を知る人が少ない。ネットワーク上で教えようとしても動画を使うしかない? ともかく文章だけでは伝えにくい。
- ただ単に実現の方法の問題だが、変換・無変換キーを押すまではNIK部品列のみを表示する仕様になっている。この為、仮名入力をしようとしても無変換キーを押すまでは正しく入力できているかどうかわからない。(自分の親指シフト入力に自信があれば問題はないのだけど…)
- オリジナルのニッコラでは左シフトキーと無変換キーを兼ねていたが、この場合同時打鍵のタイミングを誤って無変換と判断された時のリスクが大きい。この結果、同時打鍵に対して慎重にならざるを得ず、ストレスとなる。現在のニッコラ(Emacs-Lisp版、MacOS版とも)では左右の親指シフトキーと(無)変換キーは独立に好きなキーに割り合てられるので、この問題は回避できる。
ニッコラの作者
- NIKコード系の一番の功労者はNIKコードを定義し、にこにこを作った戸水 秀夫さん(tomizu@lmn.tutkie.tut.ac.jp)でしょう。変換のアルゴリズムなんて与えられたキーの列に対してマッチングするのみ。
- ニッコラの元の形をメーリングリストで口にしたのは私が最初かも知れませんが、今の形に仕様を決めてコーディングしたのは大内 茂樹さん(shigeki@int.rdc.ricoh.co.jp)です。従ってニコッラの作者は大内さんだと認識しています。
- 私がやったのは大内さんさえ使用を止めたニッコラを使い続けた事と、MacOSに移植した事、NiftyServeでニッコラの宣伝をした事です。(ちなみに大内さんは現在にこにこを使っていると思います。)
[ホームページ
|NIK-Code]